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2010年6月 2日 (水)

閉塞感からの脱却

財団法人静岡県舞台芸術センター(shizuoka performing arts center)略してSPAC。バブルの時期に計画され、紆余曲折を経て1995年に県が設立した公立劇団です。斉藤元知事が計画し、石川前知事が実現しました。…静岡空港が脳裏を横切りました。

Photo (左は屋外劇場)日本でも最高峰の劇団と位置づけられています。小中学生・高校生などの教育にも生かしています。しかし経済的な価値を生み出さないものを税金で運営することが果たして…。事業仕分けをしたらどうなるのだろう?と思いながら見学していましたが、劇団の監督、宮城聰氏の話を聞くと、自分の心に何か別の声が聞こえてきました。

メモも取らずに聞いていたので、内容はあまり覚えていませんが、経済のみを頼って発展してきた日本の現代社会への警鐘とその処方箋は文化だよ!という声が聞こえてきたのです。

人間はもともと文化=文明の生活をしていました。踊りや唄は生活そのものでした。しかし、いつの間にか文明だけが独り歩きし始めてしまったのです。産業革命以後、それが加速します。

日本に当てはめれば文明開化です。明治以降、急速に経済発展優先の社会に向かいます。それが領土拡大に向かったのが戦前で、領土が固定され軍事が制限された戦後になると、日本人の関心は経済成長一本やりになりました。

その結果が毎年3万人以上の自殺者や精神障害の増大など…文化の荒廃が原因と思える精神的な閉塞感が蔓延した社会です。

経済は文化的な生活の手段に他なりません。私と同世代の宮城監督は、昭和30年代、今に比べて明らかに貧しかったけど、心は豊かだったという話をしてくれました。その通りと思います。人々は何を焦っているのでしょう。経済成長を追い求め閉塞感に陥った私たちの心を取り戻す、その答えのひとつがこのSPACにあるかも知れない、そんな思いを持たせてくれた宮城監督でした。感謝です。

とはいえ、政治とは大衆の声ですから、「税金を使ってでも文化的な心を育てないと、日本の将来はない」という考えが大勢を占めなければ、SPACは事業仕分けで無くなってしまいます。もしくは、「少しづつみんなでお金を出し合って文化財団をつくろうぜ」といった動きがなければ文化的な社会は育ちません。

経済的に豊かになることを少しだけ我慢して、精神的に豊かになる努力を少しだけ増やそうと決意を新たにした1日でした。

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コメント

ムダとゆとり・・・似て否なり
でも見方を変えたらどうか・・・?
いろんな角度から物事を見なければいけない。
人それぞれ大事に思う事は違うのだから・・・

投稿: 磐田市民 | 2010年6月 4日 (金) 10時42分

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