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2010年7月26日 (月)

小児科を守る会

H221_2 世の中には想像できない様なことが、ままあります。24日の「地域医療を考える」講演会の基調講演のⅡ、「県立柏原病院の小児科を守る会」の取り組みは、久しぶりに私の脳を大きく揺さぶってくれました。

兵庫県の丹波市という人口11万と少しの市にある県立柏原病院は2007年4月、小児科医2名のうち一人が院長に就任したところ、残った一人が辞意を表明。衝撃を受けた市民は、記事を書いた記者が呼びかけた座談会に集まりました。

病院の責任を追及する声が上がる中、一人の主婦が「深夜の夜間救急で子どもが治療を受け、その時に気づいた夜間救急のあと、そのまま次の日の診療に向かう小児科医の姿」を体験談として語り、小児科医を攻めたらあかんという気持ちを会場に集まった人たちに伝えました。

それが集まった市民の気持ちを「小児科医が減っていくのは住民にも責任がある、小児科医を守る活動をしよう」という方向に変えることになりました。

子どもを持つ主婦が中心となって市民運動が始まりました。彼女たちは、県に対し柏原病院の小児科医を確保するための署名運動を進める一方、市民への呼びかけを始めたのです。それは、

①コンビニ受診をやめてかかりつけ医にいこう
②お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう

というシンプルだが、暖かい気持ちのこもった内容です。そして、小児科外来窓口に「ありがとうポスト」を設置。集まったメッセージを廊下に掲示したあと、アルバムにしてお医者さんに贈っています。

そうした活動が行政はもちろん、医師の気持ちを動かしました。現在、県立柏原病院の小児科には4人の先生が働いています。しかし、小児科以外ではまだまだ医師不足は続いていますし、日本全体として意志が少ない状態であるため、ちょっとしたことで医師不足になる状況からは変わっていません。

「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」では、子育て世代向けの「ママのおしゃべり救急箱」という活動に力を入れています。
地域医療を身近に感じてもらうことと合わせ、医療がかならずしも万能ではなく、子供や環境によってうまくいくこともそうでないこともあるという不確実性を持っていることを知らせ、医師に過大な負担を掛けるのではなく、医者と市民が一緒になって地域医療を推進していく活動を進めています。

守る会の会長をしている丹生さん(普通の主婦の方です)は、「住民と医療者(医者や看護師のことです)は鏡のような関係です。どちらかが良くなると、もう一方も良くなる」と、活動を振り返りながらおっしゃっていました。

ひとりの医者が一人前になるのには10年かかるそうです。今、医者を増やすために医学部の定員を増員しても、人数として増え始めるのは10年後ということです。医者だけが医療者ではなく、看護師や医師の支援をする事務体制も含めた病院の強化が必要になると言われています。
私たち住民も、かかりつけ医と総合病院の正しい使い方をすることはもちろん、日頃の健康管理が重要です。

医療を考えることは、これからの地域を考えることになります。心が動く素敵な講演会でした。主催者と講演していただいた方々に感謝です。ありがとう。

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