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2012年1月11日 (水)

地域の未来と文化力

先ほどまで、商工会議所の賀詞交歓会がありました。懇親会の前段、楽しみにしていた倉敷の大原美術館理事長 大原謙一郎氏の講演会がありました。2012

倉敷には義倉という、困った人を助ける精神が根付いている町と聞いています。一度行こうと思いながら未だに行けていない町のひとつです。

大原理事長の話は、文化に始まれど、政治経済の本質から、人間の存在意義に関わる久しぶりに心を揺さぶられるものでした。昨日の須田さんの話もすばらしいものでしたが、今日の話は、それを遥かに超える衝撃があり、2日続けて大安吉日をいただきました。

充分要約出来ませんが、以下に綴っておきます。

文化力は人間の根源的なもの、ビジネスを含めたクリエーションの基、世界の構築にも関わるものであり、日本の文化力は日本の世界における立ち位置を決める。

<例えばその1>フランスは文化の重要性に早くから気付いていた。フランス人以外がフランス文化を創った歴史があるにも関わらず、バリで何回も万国博を開催、世界にフランス文化といって宣伝し続けた。これで文化国フランスの立ち位置が決まったのだ。

<例えばその2>八代幸雄、昭和10年にボストン美術館へ吉備真備の絵巻物を展示した。日本に対する世界の見方は大変厳しい戦前であったが、この絵巻物で、日本人の心がアメリカに伝わった。太平洋戦争で、京都・奈良が戦火に染まることが無かった大きな力になったのである。

<文化の力>美しく価値ある町が全国にたくさんある。倉敷に生まれたものはこの町がいつまでもその一つでありたいと思う。この美しい町からクリエイトが生まれた。クラボウの倉敷、ブリジストンの操業は久留米、国立美術館を立てた松方氏は神戸に生まれた。豊田も本田もスズキもヤマハも遠江からクリエイトを始めたのである。
東京ではなく、地方の遺伝子DNAが全国をクリエイトし日本の未来を築いてきたのである。東京生まれではなく、その土地その土地のDNAが大事なのであり、今でもそれは生きている。

2012_3 クリエーションが生活のクオリティをうみ、異文化の融和が日本の風格を形作るのである。これが文化の働きであり、そのために文化があると言える。アインシュタインは子どもの頃勉強しなかったというが、バイオリンに熱中していたのである。そのことが後に相対性理論を発見した発想につながっているとも言える。

日本は、第1次オイルショックを、重厚長大の産業構造から軽薄短小の産業へと転換することでパラダイムチェンジした。

今の閉塞感は、資本主義のルールが行き詰っているからに他ならない。ギリシャの反発は、ギリシャ国民が二つの不条理を感じていることに端を発している。
①投資家が勝手に格付けしていることが不条理であり理解できないこと
②ギリシャ以外の国で得をしているところがあること(確かにドイツは得していると考えられる)

実体経済から金融経済の時代になり、過去の資本主義のルールの見直しが迫られている。背後にあるグローバルガバナンスにメスを入れる必要に迫られている。

いよいよ文化の出番である。

文化的な進歩が無いまま、経済だけが膨らんでいるいびつな状態で、正常な人間としての成長を図ることは難しいということと考えます。大原氏は、宗教には触れませんでしたが、人間の力の届かない神秘に関する理解を宗教に求め、グローバル社会の秩序を文化の融和で培っていくことの重要性を語っていたと思います。

哲学的な話なので、聴いた人によって受けた印象は異なるとは思いますが、文化的な成長が、現在の日本には不可欠な治療薬という認識は多くの人の賛同を得ると思います。

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