幸せの「経済学」
橘木俊詔氏の著書、幸せの経済学では、経済成長が本当に人々の幸せにつながるのか?という問いかけをしています。
資本主義の経済原理では、一定のインフレ状態でないと経済の健全性が保てないと考えられています。しかし、アベノミクスで経済成長を誘発しても、物価と収入の上昇はなかなか連動しないようです。
この本では、筆者の答えを記載しているわけではないので、幸せについては、人それぞれということでしょうが、少なくとも幸せと経済成長とは必ずしも一致するということにはならないと思われます。
日本の幸せ度は先進国の中位にあたるようです。デンマークやスウェーデンなどの北欧諸国の幸せ度が高いとのことです。とりわけデンマークは高福祉・高負担の国として有名です。平均して収入の半分くらいは、税金や社会保障費に使われるとのこと。それで幸福度が高いというのはどうしてでしょうか?
デンマークでは、高校進学率が50%程度、大学進学率は20%程度だそうです。おそらく、早い段階で、職業意識を持って進学を決めるからであろうと思われますが、それにしても驚きです。
報徳の精神に分度という言葉があります。自分の身分や収入に応じた節度ある暮らしをすることを言います。おそらく、北欧の小国デンマークにも、こうした考え方が人々の間に定着しているのでは?と感じます。
格差が拡大しているという日本の現状があるため、断定的には言えないと思いますが、精神的な豊かさを大切にする教育が、より一層重要な気がします。
…写真は、めずらしいカラマツの紅葉(黄色ですが):高峰高原にて…
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